2014-12-03

すごろくと運

人生ゲームは面白くない ということをたまに耳にします。私個人の意見として人生ゲームには人生ゲームの楽しさや楽しみ方があると思っていますが、それはまた別の機会にでも書くとします。

人生ゲームはすごろくゲームに分類できるかと思います。本稿ですごろくゲームというものを厳密に分類するつもりはありません。すごろくゲーム最低限の要素を考えると、(1)手番のはじめに進むマス数をランダムに決める、(2)止まったマスで何かイベントが起きる(あるいはまったく何も起きない)、(3)誰かがゴールに到達したらゲームが終了し勝敗を決める、という3つでしょうか。

これ以上の要素を含まないものを「すごろく」とするなら、すごろくは運ゲーです。

実際のところはどうでしょうか?ランダム性、インタラクション性の順番にみていきましょう。

ランダム性に関わるところで、まずずばり(1)手番に進むマスの数がランダムに決まるというところがあります。そのため、一番先にゴールした人が勝者になるのであれば、自分と他の人とのランダム運の強さを単純に競うゲームになります。止まったマスにお宝が落ちていて、終了までにそれらを一番多く集めた人が勝者になるのであっても、マスに止れるかどうかが、結局ランダムの運によって決定されるためやはり運の強さを競うゲームになりそうです。

インタラクション性に関わるところでは、まず(3)勝敗の判定の部分があるでしょう。目的達成の成否ではなく数人の中から一人決めるという点では対戦者間の状態が大きく明暗を分けます。しかしこのことを考慮しても上で述べたように、各自の運の強さを比べるだけなので運ゲーの域を出ることはありません。

インタラクション性に関わる可能性があるところとして、(2)止まったマスでのイベントがあります。例えばここで、任意の誰かを5マス戻すとか、誰かからお宝を奪うとか、そういう意思によって相手と関われるとしたらどうでしょうか?結論から言えば運ゲーの域を出ることはありません。なにしろこれらのイベントのトリガーはやはりランダムの運によりますし、イベント後の展開をいくら考えても、ランダムに依存するので、一番勝利に近い人の足を引っ張るという戦略(あるいは自分が勝利に近づく戦略)しか取りようがなく、それはほとんど自動的に決定するからです。

運ゲーと言えるポイントはほぼ三番目に集約されていて、取りうる戦略が乏しいから、つまり戦略性が低いため運ゲーであるというわけです。

さて、最後に、前回も出てきたいい加減なイメージ図を添付します。



すごろくとじゃんけんはこのグラフにおいてほとんど対極にあるにも関わらず、どちらも高いレベルの運ゲーです。今回言いたかったことはここで、運ゲーには二種類あり、ランダム性が高いために運ゲーになるもの、インタラクション性が高いため運ゲーになるものがあります、ということです。前者は結構当たり前なので、今回の議論は無駄が大きかったかもしれません。

ここまで、極端な二例を紹介したのは、今後この間にある様々なゲームを探っていく準備をしたかったからです。たくさんの良いゲームはランダム性とインタラクション性がほどよいものであるはずです。

ところで、インタラクション性が高くランダム性のないゲーム(じゃんけんと同じところにプロットされるゲーム)で運ゲーじゃないものもありますよね?ありますね。次はその辺りを議論するかもしれません。想像を働かせながらお待ちください。

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